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携帯が無い頃のレトロな恋愛事情(40代女性Mさんの場合)

研修医の先生との出会い病院に看護婦として就職した一年目。それまでお付き合いしていた彼氏と遠距離恋愛になりました。当時はまだ携帯という便利な連絡手段もなく、お互いの勤務時間や休みもバラバラだったので、話したい時に声を聞くことすら簡単にできません。

私は寂しい気持ちを日々の忙しさで紛らわしていました。そんなある日、新しい研修医の先生が病棟にやって来たのです。

最初のうちは特別な感情は一切ありませんでした。でも、先生が病棟に顔を出す時に偶然行き合うことが続き、患者さんにからむ業務的会話から少しずつ雑談するようになると、それが秘かな楽しみになってきました。

「私、先生のこと好きなのかな?」

何となく恋愛感情らしきものが芽生えてきたのですが、私には彼氏がいるし…と、自分でもよく分からずにモヤモヤしていた時、先生から「これ、ちょっと確認しておいてくれませんか?」とメモを渡されました。

ナースステーションで普通の業務の流れのようにさらっと渡されたそのメモには「日勤上がりで食事でもどうですか」と、ポケベルのナンバーが書かれていたのです。

真面目で不器用な性格

今なら軽い気持ちで食事に行ったと思います。もしくは取りあえずメールをやり取りしてみて、先生のことを知ってから行ったかもしれません。

でも、真面目で不器用な性格が災いし、悩みに悩んだ末に連絡しませんでした。後日会った時に、今度は直接誘われたのに、それもお断りしてしまいました。。。

連絡を取りたいと思う時もあったのですが、結局、携帯もないためにその場ですぐに話すこともできません。そのうち、先生は別の病院に移ってしまい、肝心の彼氏の方も遠距離先で新しい彼女を作り、私の元から去っていきました。

もしあの時、勇気を出してアクションを起こしていたら、今頃ドクター夫人で専業主婦か、開業した夫を支えるナースをしていたかも…、そんなことを今でも時々妄想している40代独身女なのです…。